テント倉庫は一般的な倉庫と比較すると低コストおよび短工期で導入できるため、需要が高まっています。テント倉庫を導入する際、固定資産税はかかるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。テント倉庫にかかる固定資産税や、固定資産税を節税する方法、テント倉庫における税制優遇についてくわしく紹介していきます。
テント倉庫にかかる固定資産税とは
テント倉庫は、一般的な倉庫に比べ工期が短く、耐震性にもすぐれていることから需要が高まっています。倉庫としての用途だけではなく、スポーツ施設やショールームとして活用することも可能です。
テント倉庫を導入する際、テント倉庫は建築物なのか、固定資産税はかかるのかなど、疑問に思う方も多いでしょう。会社や法人が所有する固定資産税の課税対象は、土地・家屋・有価証券・特許権などがあります。
テント倉庫は家屋であることから、固定資産税の対象です。ただし全てのテント倉庫が家屋に該当するわけではなく、家屋として認められるテント倉庫にのみ固定資産税がかかります。
固定資産税とは
固定資産税とは、土地・家屋・償却資産などを所有している人に発生する税金のことをいいます。固定資産の価格をもとに算出し、固定資産が所在されている市町村に納めます。
土地の場合は地価が高いエリアほど評価額も高くなり、家屋の場合は木造よりも鉄筋コンクリート造の方が評価額は高くなるでしょう。同じメーカーのテント倉庫を設置する場合、設置する地域や場所が違うと、固定資産税の課税額も変わることもあるでしょう。
テント倉庫は有形固定資産
有形固定資産は、長期にわたって使用する目的で所有する資産であり、具体的な形態があることが特徴です。また移動式や可動式のテント倉庫は建築物とみなされるため、固定資産税が課税されます。
簡易の仮設テントやビニールハウスなどは永続的な素材ではないため、ビニールハウスを倉庫として利用するならば固定資産税は課税されません。有形固定資産の経費精算に関しては、取得原価を耐用年数に応じて分割して会計する必要がある減価償却を用います。
固定資産税を節税するにはどうすればいい？
テント倉庫は比較的コストを抑えて導入できますが、固定資産税もできるだけ抑えたいと考える方も多いでしょう。固定資産税を節税する方法を紹介しますので、参考にしてください。
評価額を確認する
テント倉庫にかかる税額が適正なのか判断するためには、固定資産税評価額を確認することが大切です。確認方法は、自治体から送付されてくる課税明細書に目をとおしましょう。
まず土地と面積が間違えていないこと、敷地が宅地以外の地目になっていないことを確認します。もし実際よりも面積が広く記載されている場合、評価額が正しく算出されていません。自治体からの課税明細者が見つからない場合は、役所で評価証明書を取得して確認しましょう。
免税点を把握する
固定資産税は、免税点という一定の金額以下の課税標準額であれば課税しないという仕組みのものがあります。具体的には、土地30万円、建物20万円、償却資産150万円です。
免税点は市町村ごとに判断され、2つの市町村でそれぞれ20万円の土地を所有している場合、各市町村で免税点以下となるため課税されません。もし現状で課税されている固定資産税が免税点以下ならば固定資産税がかからなくなるため、免税点についてしっかり理解しておくことが大切です。
テント倉庫には税制優遇がある
特定の要件を満たした設備を投資する中小企業は、税制優遇を受けることが可能です。対象となる設備の即時償却または、取得価格に応じた税額控除を選択できます。
テント倉庫を導入する際に税制優遇を受けるには、自社や投資する設備が一定の条件に合致していなくてはいけません。
テント倉庫の税制優遇の条件
税制優遇の対象となるのは、資本金または出資金が1億円以下の法人、資本金または出資金を有していない法人のうち常時使用する従業員が1,000人以下の法人、常時使用する従業員が1,000人以下の個人事業主、協同組合などが該当します。
優遇措置の対象に該当するのか確認し、適切な申請を行う必要があります。
建物付属設備が対象
テント倉庫は、建物付属設備に該当します。税制優遇の適用を受けるには、生産性が旧モデルと比較して平均1％以上向上する設備であること、取得価額が60万円以上なこと、過去14年以内に販売が開始された製品であることという要件を満たしている必要があります。
経営力向上計画が必要
税制優遇を受けるには、経営力向上計画の施策がもっとも重要な作業です。経営力向上計画が認定されないと、税制の支援は受けられません。
経営力向上計画は、自社の概要、現状や改題、経営力向上に関する目標などを記載する計画書です。自社で作成するのが難しい場合は、商工会議所や金融機関、専門家などに依頼してサポートを受けることも可能です。
まとめ
テント倉庫は家屋に該当し有形固定資産にあたるため、固定資産税がかかります。そのためテント倉庫を導入するには、ランニングコストがかかることを把握しておかなくてはいけません。しかし固定資産税は、節税や税制優遇制度を活用することでコストを抑えることも可能です。自治体から送付される課税証明書には必ず目をとおし、実態と異なっていないか確認することが重要です。
