軽量鉄骨の骨組みにシート状の幕を被せて作るテント倉庫。低コストかつ短期で作れる点がメリットですが、安全性が気になる方もいるかと思います。そこで本記事では、テント倉庫の安全性についてくわしく紹介していきます。耐用年数や耐震性能についてもくわしく解説するので導入するか迷っている方はぜひ参考にしてください。
テント倉庫の耐用年数
倉庫選びの際にどのくらい長持ちするのか気になる方は多いでしょう。いくらほかと比べて導入コストが安いといっても、数年で交換や修繕工事が必要になるのであれば、ランニングコストを考えると赤字になってしまう可能性が出てきます。
テント倉庫の耐用年数は、製品や各パーツの素材、建てる環境などのさまざまな要素によって大きく左右されます。ここでは、一般的な耐用年数ともっとも劣化が早いテント（屋根部分）の耐用年数をそれぞれくわしく紹介するので、導入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
一般的な耐用年数
テント倉庫の一般的な耐用年数は、おおよそ15～30年ほどです。一見すぐに劣化しそうに見えるかもしれませんが、木造の倉庫やレンガ造の倉庫などと同等の耐久性が備わっています。
テント倉庫の寿命は、立地によって大きく左右され、日照時間が長い場所や海辺に建てている場合は通常よりも寿命が短くなります。テント倉庫を作る際は、必ず設置する立地にも気を配りましょう。
テントの耐用年数
テント（屋根部分）の耐用年数は、おおよそ10～20年ほどといわれています。テントは雨や風、紫外線にさらされることから、内部に位置するフレームと比べて耐用年数は短めです。
もちろんテントだけ交換を行うケースも珍しくありません。フレームはとくに問題がなくても、テント部分が目に見えて劣化してきていたり、穴が開いて雨漏りをするようになってしまったりしたときが交換のタイミングです。
穴が開いているまま放置すると中に入れている荷物やフレームが破損する恐れがあるので、気が付いた時点で早めに交換を行いましょう。
テント倉庫の耐震性
倉庫選びの際に、耐用年数だけではなく耐震性が気になる方もいるかと思います。
耐久性が高くても、災害発生時にかんたんに壊れてしまうのであれば、実用性は低いといえるでしょう。ここではテント倉庫の耐用年数と災害時のメリットを紹介します。
テント倉庫の耐震性
鉄筋コンクリート造の建物と比べるとかんたんな作りで、大きな地震が発生したらかんたんに倒壊しそうに見えるかもしれませんが、テント倉庫は構造物自体が軽量なため、高い耐震性を持っています。
大地震が発生したとしても、かんたんには倒壊しません。また、地震の揺れにより倒壊してしまったとしても、屋根や壁に使用される幕が軽量なため、周辺や内部の荷物へのダメージを減らせます。
災害時のメリット
テント倉庫は、シンプルな構造でできていることから災害時にも補強やパーツの交換、解体が比較的かんたんに行えるというメリットがあります。万が一予期せぬ災害が発生しても、かんたんに対処できるため安心です。
テント倉庫のメンテナンス方法
最後にテント倉庫の正しいメンテナンス方法をまとめて紹介します。
どのような建造物もそうであるように、テント倉庫も建てたら終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。日常的に点検やメンテナンスを行うことで、テント倉庫を長持ちさせられます。
目視確認
日常的に行うべきメンテナンスは、目視による確認です。引き戸やテント（屋根）部分、骨組みを中心に、異常や破損が無いかを確認します。
破損や劣化が著しい場合には修繕の必要が出てきますが、修繕自体は業者に依頼して行うケースが一般的です。骨組みでは、曲がっている箇所がないか、接合部が緩んでいないかをチェックし、テント（屋根）部分では、穴が空いていないか、雨漏りが発生していないかをチェックします。
また、引き戸では、レールに歪みがないかを確認してください。難しく考える必要はなく普段と違う場所を探すだけです。数年に一度はプロに依頼して本格的な点検を実施してもらうことをおすすめします。
修繕
屋外に設置する倉庫は、雨や風、紫外線などの影響で時間が経つごとに劣化していくため、いずれは必ず修繕の必要性が出てきます。日常メンテナンスを通じて劣化や破損が見つかった際は、なるべく早く業者に修繕を依頼しましょう。
修繕では、テントや骨組みの交換などを行います。テント倉庫は骨組みとなる鉄骨に幕を被せる造りをしており、すべてを交換しないでパーツだけを取り換えることも可能です。
まとめ
本記事ではテント倉庫の安全性について紹介しました。テント倉庫は鉄筋コンクリート造の建物などと比べるとかんたんな造りをしていることから、安全性が低いと思われることが多いですが、じつは耐久性・耐震性ともにすぐれています。耐用年数は木造の倉庫と比較しても劣らないため、導入コストを抑えて倉庫を作りたい方やできるだけ早く建てられる倉庫を選びたい方に最適です。周辺環境の影響を大きく受け、立地によっては寿命が早まってしまうため、テント倉庫を立てる際は立地選びだけには注意しましょう。本記事が、倉庫選びで迷っている方のお役に立てれば幸いです。
