
誰でも気軽にオンラインショッピングが楽しめるスマートフォン、ECサイトなどの普及によって、物流業界は国内でも年々需要が増加しています。さまざまな場所に商品を届けるために必要となるのが、輸送先を正しく分類するための保管場所である荷捌き場です。今回は荷捌き場の持つ目的や役割、従来抱えていた課題からテント倉庫を使うメリットまで幅広く紹介します。荷捌き場の建設を検討中の方など、参考にしてください。
荷捌き場の目的や役割とは?
荷捌き場とは、集荷された荷物を輸送先ごとにそれぞれ分別して、一時的に保管をしておく場所のことを指します。物流においては非常に大切な拠点でもあり、荷捌き場によって仕分けられた貨物がトラックに載せられて、我々の手元まで送られます。
そんな荷捌き場は、文字通り荷捌きをする場所としてだけでなく、配送作業を行うためやターミナルの中継拠点としてなどさまざまな目的や役割を持っています。それぞれの目的や役割を以下で紹介するため、荷捌き場を設置する重要性を理解しておきましょう。
荷捌きをする場所
荷捌き場の大きな目的が、荷捌きをする場所としての存在です。貨物の仕分けや積み替えを行う作業場として重要な拠点であり、荷物の保管場所としても大切な役割を持っています。
会社にもよりますが、集荷された貨物の量が膨大な場合は、それを適切に仕分けた上で配送作業へと進まなければなりません。配送ミスをなくすため、積み替えの作業をスムーズに進めるためにも、荷捌き場の存在は必要不可欠です。
配送作業を行うための場所
荷捌き場は貨物をただ保管するだけでなく、貨物の梱包や加工など配送に必要な作業を行う場所としての機能も持っています。貨物が店舗や一般家庭に届けるためには、梱包や加工といった作業が必要不可欠です。
これらの作業を配送前の工場等で実施していては、配送までのコストもより高くなります。荷捌き場があることで、配送作業をそこで集中して行うことができ、効率よくトラックへの積み替えも実施できるようになるのです。
ターミナルの中継地点としての場所
荷捌き場はターミナルの中継地点としても活躍します。トラックが集荷から集配までを実施するにあたって、中継地点があることで集配効率を大きく上げられます。
たとえば、大型のトラック一台が集荷・集配をすべて担当すると、ドライバーには大きな負担がかかります。配送ルートも限られてしまい、効率的な配送ができているとはいえません。
中継地点を作ることで、そこから小型・中型トラックが配送するといった形を構築できるため、集配の効率が大幅に向上します。
従来の荷捌き場が抱える課題
さまざまな目的と役割を持つ荷捌き場ですが、従来の荷捌き場は多くの課題を抱えています。物流の拠点としては欠かせない反面、抱えている課題を以下に改善していけるかが運用のカギともされるポイントです。
主な課題を以下に紹介します。
建設コストの高さ
従来の荷捌き場は、一定の広さやアクセスのしやすさなど、さまざまな条件をもとに建設する必要があります。費用はもちろん、建設までの時間もかかるため、荷捌き場としての機能を果たせるようになるまで多大なコストを要するのが現状です。
建設するだけでなく、そこに貨物の加工や梱包、あらゆる品目を保管できる機能を持たせるとなるとさらに手間がかかります。荷捌き場は重要な役割を持つ施設ですが、すぐに新設できない点は大きな課題ともいえるでしょう。
需要の高さによって建設が追いつかない
スマートフォンが普及してインターネットを使う人も急増した現代では、ECサイトでのオンラインショップ需要が高まっています。これによって荷捌き場も需要が伸びていますが、需要の高さに建設が追いついていないのも現状です。
需要の高さにくわえて建設コストの高さも課題となっているため、従来の荷捌き場を国内で一気に増やすことができない状況になっています。
作業場が暗く作業しづらい
荷捌き場は敷地面積が広いケースがほとんどのため、屋内で作業する際のライト設置が不十分で、快適に作業ができるだけの光量を確保できないデメリットもあります。暗い場所だと手元が見えにくくなるため、貨物の仕分けや梱包・加工などの作業に支障が出てしまい、十分に荷捌きができません。
また、ライトを増やすことは電気代の増加にもつながるため、ランニングコストが増えてしまう懸念もあります。かなりのコストがかかるため光量を増やしづらく、結果的に荷捌き場としての役割が十分に果たせない環境を作ってしまうのです。
テント倉庫を荷捌き場として活用するメリット
従来の荷捌き場のさまざまな課題は、テント倉庫の活用で改善される点が多いです。テント倉庫とは、鉄骨の骨くみにシートを被せた文字通りテントのような倉庫で、一般的な建築物と比較しても非常にシンプルな構造となっています。
しかし、テント倉庫を荷捌き場として活用することにはさまざまなメリットがあるため、近年注目されている運用方法になります。テント倉庫を活用するメリットを以下に紹介するため、荷捌き場設置時の参考にしてください。
建設コストや工期を大幅に抑えられる
テント倉庫を荷捌き場に活用するのは、これまでの荷捌き場よりも建設コストを大幅に抑えられます。テントの建設自体に費用がそこまでかからないのはもちろん、使われる資材も軽量なため、地盤改良工事の必要もありません。
そのため、荷捌き場完成までにかかる費用は従来に比べて大幅にカットできるというわけです。初期費用をなるべくかけたくない場合にはうってつけの方法といえます。
また、鉄骨の骨組みにテントシートを張る形で建てられるテント倉庫は、その工法のシンプルさから短い工期で完成できることも特徴です。需要の高さによって建設が追いつかない課題についても、この工期の短さで解決可能です。
明るく作業しやすい場を提供できる
テントは太陽光を透過する造りとなっているものが多いですが、これはテント倉庫にも当てはまります。そのため、日中の作業でも外の明かりが内部を照らして、手元も明るく作業しやすくなるのがメリットです。
日中の作業においては必要となるライトの数も少なく済むため、電気代などのランニングコストの節約にもつながります。テントシートはUV加工が施されているものがほとんどなので、太陽光が屋内に入っても紫外線は届きづらく、安全な状態で作業を進められるのも特徴です。
熱がこもりにくく保管場所にも最適
テント倉庫は他の建物に比べて通気性が優れているため、内部に熱がこもりにくいのが特徴です。この特徴によって、夏場でも室内が高温多湿にならず、保管している貨物が傷むリスクを大幅に軽減できます。
荷捌き場での貨物の保管で懸念される点のひとつが、保管の状態が甘く貨物が傷んでしまうことです。仕分けやトラックへの積み替えがスムーズにできる場所であっても、肝心の貨物に問題が起きてしまっては荷捌き場としての役割を十分に果たせていません。
環境に優れたテント倉庫を使うことで、貨物の保管にかかるコストの削減も期待できるでしょう。
まとめ
荷捌き場の目的や役割、抱えている課題やテント倉庫を活用する際のメリットについて紹介しました。インターネットが普及した今、オンラインショッピングで買い物をする人が急増した背景などもあり、いまや物流業界における荷捌き場の存在は非常に重要です。従来の荷捌き場では建設コストの高さや作業効率の悪さが目立っていた部分もあるため、それらの悩みを解消できるテント倉庫の荷捌き場利用は物流業界で働く人々にとって大きな助けになるでしょう。今後も需要は増え続けると予想されているので、荷捌き場を作る予定の方、テント倉庫を所有している方などは、ぜひテント倉庫を活用した荷捌き場建設を検討してみてはいかがでしょうか。